「たかが独り言、されど独り言」#4「ゴールド免許」

私は先日晴れてゴールド免許になった。
5年間無事故無違反で取ることができる。
そして何より更新がものすごく楽だ、30分ぐらいで終わる。
しかし、私は4年間運転してない。俗に言うペーパードライバーだ。なんだったら最後の運転で対物ではあるが事故を起こしている。あっ5年間無事故無違反嘘だった、、、
そんな人間がゴールド免許だと自慢気に言っていいものなのか?運転技術は皆無に等しい。
それでも私は、胸を張ってゴールド免許を持っている。
いや、正確に言うと胸を張る資格があるのか分からないまま、持っている。
免許証の色は金色だが、
ハンドルを握らせたらたぶん手は震える。アクセルとブレーキの違いすら、もう怪しい。
免許証は「運転が上手い証明」ではない。
ただ「運転していない証明」だったりする。
事故を起こさなかった5年間ではなく、
運転しなかった5年間。
だから私は無事故無違反でいられただけだ。
それなのに、制度上は“優良”と呼ばれる。
この違和感が、妙に引っかかっている。
ゴールド免許って、
「危険を回避できる人」じゃなくて
「危険に近づかなかった人」にも与えられる。
それはズルでも嘘でもない。
ルール上、正しい。
でも正しさと誇らしさは、必ずしも同じじゃない。
ここで少し視点を変えると、私はこのゴールド免許を「偽物」だとは思っていない。
ただ、まだ中身が追いついていないだけだ。
肩書きや称号が先に来て、実力や覚悟があとから追いかけることは、人生にはよくある。
美容師もそうだ。
「スタイリスト」という肩書きをもらった瞬間、急に上手くなるわけじゃない。
むしろ、名乗った瞬間からそれに追いつく責任が始まる。
ゴールド免許を見て思う。
これは自慢するための色じゃなくて、自覚するための色なんじゃないかと。
「あなたは優良です」じゃなくて、「優良であろうとしてください」という、静かなプレッシャー。
いつかまた運転する日が来たら、この金色に恥じない運転をしたい。
今はまだ、色だけが先を走っている。
それでもいい。
追いつこうとする限りは。


